日本語には同音異義語というものがあり、私達の生活の中にもたくさん存在しています。
例えば、「におい」という言葉。
臭い、匂い、そしてニオイの3種類がありますが、皆さんはしっかり使い分けができていますか?
臭いとは、全般的に不快なにおいのことをさし、ニオイもまた同じ意味で使用されています。
一方、匂いはというと、好ましい香りのことをさし、同じ発音でも意味が正反対になってしまいますよね。
汗のニオイや加齢臭などのにおいが、臭いと表現されるのはそのためなのです。
人間はなぜ朝起きたときに臭いを強く感じるのか?
朝起きたときに臭いを強く感じるのは、寝ているときにかいた汗と皮脂が原因だと言われています。
人間は、寝ている間にもさまざまな代謝を行っていますが、その中に、汗や皮脂があります。
人は寝ている間にも、およそコップ1杯の汗をかくと言われ、肌の代謝も夜行われているので、当然皮脂の分泌も行われています。
男性は、皮脂の分泌量が女性の約2~3倍と言われていますので、朝起きる頃には汗と皮脂が混ざり合った状態になってしまい、臭いがキツいと感じてしまうのです。
それでは、なぜ寝ている間に汗をかいてしまうのでしょうか。
臭いの原因の寝汗を欠いてしまう理由は?
人が寝ている間に汗をかく理由には、さまざまな理由があります。
■体温調節をするため
人が睡眠を取るためには、体温を一気に下げる必要があります。
人間の体の仕組みで、体温を下げるときには汗をかいて調節することは、広く知られているかと思いますが、睡眠時もまた、汗で体温を下げるため寝汗をかいているのです。
入眠時もそうですが、寝ている間中しっかり温度の調節が行われるため、例えば熱帯夜の翌朝はびっしょりと汗をかいていることもありますよね。
寝汗がなければ睡眠をとることができないし、寝ている間も快眠するべく行われている体の仕組みなので、これはどうすることもできないことかもしれません。
■ストレスに自律神経の乱れ
寝汗を多くかいてしまう理由には、ストレスが関わっていることもあります。
ストレスによって自律神経が乱れてしまい、汗を作り出す汗腺が過剰に反応してしまうことで、多量の汗をかいてしまうのです。
女性よりも男性に多く見られる要因といわれ、特に働き盛りの世代に多く見受けられる症状です。
朝起きたときの臭いには年齢による違いはあるのか?
それでは、朝起きたときの臭いは、年齢によって違いはあるのでしょうか。
体臭は年齢に関係なくあり、若い人でも、年配の人にもあります。
例えば10代や20代の若い世代は、汗腺が活発なため汗臭が、30代~50代は皮脂と汗、常在菌が混ざり合って発生するミドル脂臭、60代以降は皮脂の酸化によって起こる加齢臭があります。
しかし、朝起きたときに、特に臭いが気になり出すのが40代以降と言われており、体の代謝機能が落ち始めるのが原因と考えられます。
代謝が落ちると、汗の質もサラッとしたものではなくべたつきのあるものになり、臭いの原因になります。
また、汗は生活習慣を反映する面もあり、例えば、食生活があげられます。
前の日に大量のアルコールを摂取した場合、体臭がキツくなりますし、脂質の多い食事ばかりしている人もまた、体臭がキツくなると言われています。
つまり、年齢もさることながら、生活習慣によっては、年代に関係なく誰にでも起こりうるということです。
臭いを匂いに変える社会人男性が行うべき3つの朝の習慣
ここからは、朝起きたときの臭いが気になる、社会人男性におすすめしたい3つの朝の習慣をご紹介したいと思います。
■朝起きたらシャワーを浴びる
何だかんだいっても、やはりこれが一番臭いを防ぐ方法として効果的と言えます。
男性は女性に比べて汗や皮脂の分泌量が多いので、お湯だけではなくボディソープや石鹸でしっかり汚れを落としましょう。
特に、臭いが発生しやすい背中や耳の後ろ、胸元などは汗や皮脂が溜まりやすいところでもあるので、丁寧に洗いましょう。
首や手足の関節も汗が溜まりやすく、べたつきや汗によるかぶれを起こしやすくなってしみますので、こちらもしっかり洗っておきましょう。
ただし、洗う際は力任せに洗わないこと。
肌を傷つける原因になるので、くれぐれも力を入れずに、泡で洗うことを心掛けましょう。
特に臭いの気になる人は、ボディソープや石鹸の配合成分にもこだわりたいところ。
消臭や防臭効果のある成分や、殺菌効果の高い成分が入っているものを選ぶと良いでしょう。
例えば、柿渋(柿タンニン)には悪臭の元を絶つ作用があり、高い消臭効果があります。微生物やウイルスなどを寄せ付けない働きもあるので、臭いの発生を抑制する効果も。
他にも、緑茶でおなじみのカテキンも同じく、臭いを元から絶つ作用があり、皮脂の酸化や雑菌の繁殖を抑える効果があるとされ、多くのボディソープや石鹸に使われていますよね。
体臭ケアの一歩は、まずは肌を清潔にすること。
朝の習慣として、取り入れてみてはいかがでしょうか。
■制汗スプレーを使用する
制汗スプレーには、汗を抑える効果の他に、臭いを抑える効果があります。
朝は忙しく、シャワーを浴びている暇がないという人は、制汗スプレーだけでも使うようにしましょう。
シャワーを浴びた人も、制汗スプレーを使うことで汗や臭いを防ぐことができますので、併せて使うことをおすすめします。
制汗スプレーにはいろいろな香りのものがあるので、その日の気分で使い分けるのも良いですよね。
シトラス系は万人に愛される香りなので、使いやすいのではないでしょうか。
また、ボディシートでもOK。
汗や皮脂、古い角質などの汚れを拭き取ることができるので、こちらもおすすめですよ。
■朝食にはヨーグルトを食べよう
体臭は、腸の中で食べ物が腐り環境が悪化することでも起きることがあります。
体臭の気になる人は、腸内環境を整える乳酸菌の入っている食べ物を、積極的に摂るようにしましょう。
スーパーやコンビニには、さまざまな種類のヨーグルトがありますよね。
乳酸菌は、相性が個人個人違うので、自分に合った乳酸菌を見つけて食べるといいですよ。
お腹を下すことがなく、健康的な便が出たら相性が良いといっても良いかもしれません。
また、ヨーグルトはタンパク質やカルシウムなどの栄養もしっかり含まれています。
特にカルシウムは、現代人に不足しがちな栄養素であり、ストレスの軽減にも効果があるので、寝汗の減量にも期待したいところです。
ただし、食べ過ぎは注意。ものによっては脂質が多いものもあり、かえって体臭を強めてしまう場合もあります。
多量に食べたからといって、体質が改善するわけではありませんので、程よい量を、毎日食べるようにしましょう(アレルギーのある人はその限りではありません)。
コラム:臭いで体内状況が分かる!?こんな臭いは要注意!
実は、臭いで体内の状況が分かるということを、皆さんはご存じでしたか。
臭いの種類で、どこの臓器が疲れているかが分かるのだそうです。
もちろん、一概に言えることではないですが、体から発せられるメッセージとして、しっかりと受け取って上げることも大切。
ご自身はもちろん、周りの人の中にいたら、くれぐれも注意してみて下さいね。
まずは、腐敗臭。
肉が腐ったような臭いの場合は、呼吸器系の不調が疑われ、気管支拡張症や肺がんなどがあげられます。
胃がんや食道ヘルニアなどの消化器系、副鼻腔炎や扁桃炎などの耳鼻咽喉系の不調の際も同じように腐敗臭が現われます。
アンモニア臭は、肝機能障害や腎機能障害などが疑われ、リンゴの腐ったような甘酸っぱい臭いの場合は、糖尿病の疑いがあると言われています。
ただの体臭と思っていたら、病気が隠れていた!なんてこともあるようです。
体臭の他にも、何か普段と違う不調がある場合は、一度医療機関を受診してみるのも良いかもしれませんね。